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17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード

今季のアニメーションの1話だけを観て今のモード(形態の流行)を全て決める最悪のアニメレビュー

残響のテロル 伝説のマンガ「ザ・ワールド・イズ・マイン」のパクリですね

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残響のテロル

残響のテロル 視聴フル 製作:MAPPA

 

 新井英樹が90年代のヤングサンデーに連載した伝説の作品「ザ・ワールド・イズ・マイン」を現代日常情景モードでパクったかのような作品です。いやいや、核廃棄物処理場から盗み出すあたり伝説の邦画「太陽を盗んだ男」をパクったかのような、というべきでしょうか?

 

 渡辺信一郎監督はここんとこなにか全盛期にも突入したかのようにオリジナル作品を連発していますが、本作はどんな感じでしょうか?

 

 

 「ザ・ワールド・イズ・マイン」今やこのタイトルはラノベアニメニコニコにズブズブなみなさんには初音ミクの楽曲が先に想起されるでしょうが、90年代当時のテロルが遺憾なく描かれた作品です。トシとモンという二人組のテロリストが人を殺しまくりながら日本各地に爆弾を仕掛けていくテロの人災を仕掛ける一方で、同時進行で日本にヒグマドンと呼ばれる実態不明の怪獣が東北を破壊しつくしていく天災が降り注ぎます。ぼくが本作を初めて読んだのは、2011年の3月11日以降からでした。なので尋常でないほどの現実とオーバーラップする感覚を得ました。

 

 このマンガは1995年以降、そうオウム地下鉄サリン事件というテロの人災と、阪神・淡路大震災という天災の二つを通過し、さらには世紀末・ノストラダムスの1999年世界の終わりの予言に向かって驀進するという時代の気配を遺憾なく反映しています。物語は最終的に、90年代を超え2001年9月11日のアメリカ同時多発テロを予言するかのところまで突入していきます。

 

 2001年9月11日以降にテロリズムの意味作用は大幅に変更されていきましたし、世紀末を超え急速に時代の気配も変わります。

 

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 「残響のテロル」の主人公二人はまるで「ザ・ワールド・イズ・マイン」のトシとモンがソフィスケイトされた姿のようです。そこに加わる一人のヒロインという構図も「ザ・ワールド・イズ・マイン」と同じです。天災を象徴するヒグマドンがいないくらいです。ですがここにオリジナルを見出すなら、それはここ20年近くの間に変貌した様々な気配です。

 

 ツインタワーの飛行機突入以降テロリズムが国家と相対する敵であるという「テロとの戦い」という新概念が登場し、テロリズムは政治的な目的による脅威の意味をはるかに超えていってしまいました。

 

 あほくさいですがアニメ的にはロボットもSFもその目的の中で少年少女の日常の永遠の情景を描くことに集約されるようになり、新海誠のフィルモグラィはそのまま現代の日常モード成立の過程のようです。そこではSFもロボットも並行世界も何もかものガジェットは少年少女の永劫の青春のメタファーとして利用されました。

 

 ですが、現代のテロにはただでさえメタファーにするほどの実態が無いものいうか、去年のボストンテロを見ても実行犯のバイオグラフィーからなにかチェチェン共和国とのテロ関係者との関係を見出そうとする、根拠ある動機を探りましたがそうした関係は見出せず、「アメリカ人として生きることとイスラム教徒との間でアイデンティティーが乱されたせいでは…」と分析されるも実態は確定できないままという曖昧な、突発的な人災とされました。(すんません、この辺の解釈や認識甘いかもしれません)

 

 「残響のテロル」は映像・音楽、人物&背景バランスのレイアウト、スマホ・手持ちカメラ的にピントがぼやけ、手ぶれのあるカメラなどけた外れに高い日常情景トータルデザインを元に、現在のテロリズムのイメージを取り扱います。ですが、今のところ「残響」のテロリズムそのものになんのメタファーも見出せず、本当にテロはテロ、というひどい発言になってしまいます。

 

というのも、現代のテロリズムはただでさえ実体や動機の見えるそれよりも、象徴的な行為のように捉えられがちだからです。そういえば、秋葉原の通り魔事件も、黒子のバスケ脅迫事件も一部ではテロリズム的な文脈で解釈しているのも少なくはなく、思想信条よりも社会に唐突にもたらされる脅威や恐怖というものは今やテロリズム的、と解釈してしまう隙があるように感じます。適当言ってるだけかもしれません。

 

 ちなみに「ザ・ワールド・イズ・マイン」の新井英樹なら秋葉原の加藤や、黒子のバスケの脅迫事件をバックグラウンドとしたような人間性の呪いに関わるものを今なら描くかもしれません。トシとモンはあからさまに人間性の呪いによって駆動しているキャラクターですが、「残響のテロル」のナインとツエルブには今のところ何一つ人間性の呪いは見出せません。

 

 そこがあるかどうかで本作の評価は揺れます。しかし渡辺信一郎がそんな人間性の呪いに関わることをこれまでできたことがあったでしょうか?アニメ界隈で猛威を振るい、許容されている人間性の呪いはセックス関連の屈辱と凌辱です。「極黒のブリュンヒルデ」とか脚本面での「まどかマギカ」とか。ぼくにとってはくそだと思うそれです。

 単に映像も音楽もオシャレにして現代風のテロがどうこうで、結局デスノートのライトみたいなトホホ悪人(世の中腐ってる粛清せねばとかいっちゃうそんなん)てレベルならそれは…でも次の標的当てゲームがどうたらと柳下毅一郎がうんざりしている「さあゲームを始めよう」悪人の気配が……

 

 そして全話見た結果はこんな感じに相成りました…

 

 

 

 

 観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。

 

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