個人製作のストップモーションアニメの中で、その世界観やヴィジュアルやアニメートの高さが顕著な本作「JUNK HEAD1」。
痛烈に思い出されるのはまだまだCGアニメーションも普及していないころの、ちょっとしたディストピアなCGアニメーションを使った作品です。ゲームですが、「クーロンズゲート」であるとか、庄司晴彦の「GADGET」などなどのどこか陰鬱なデザインの世界です。そして無国籍的な、にもかかわらず支配が行き届いているような断崖や建築の風景、これは弐瓶勉的風景(もっと言えばベクシンスキー的風景)をも想起させます。
独特のメカニックやクリーチャーのデザインを、特徴あるロケーションの中でアニメートしていくその手つきや手触りはかつて観たそうした異色の映像であり、そして同時に全く新しい技術のそれだったことを思い出させます。ストップモーションアニメやCGアニメは今では遥かに洗練されてしまっていますが、個人製作の本作ではかつて勃興期のそのジャンルにあったある種のプリミティブさを再び思い出させてくれます。ダークネスでありながらどこかマヌケでポップ。純粋であり何か歪んでる。普及前夜のCGアニメだとかはそんな感覚を得ることが多々だったのです。
現在は「JUNK HEAD2」の製作に向けてクラウドファンディングにて資金を調達している最中となっています。