龍ヶ嬢七々々の埋蔵金 視聴12分
もはやこのブログではかなり書いてますが、新海誠OR京アニによる、日常による情景やスマホカメラ越しのラフな実感を感じさせるモードは今んとこも強力でいくつかの作品は作品の基礎設定を超えて、この情感や空気感の映像に力を注力している気がします。
一方では、特に画面のレイヤーも増やさず情感や空気感を重視せず、キャラごとに髪の色が原色で分かれ、極端なシルエットにするというアニメらしいダサいキャラ分け路線でほどほどに極端な設定やらのダサい世界観、すでに「私の脱税がバッタにばれることがあった」みたいな感じの文章と化しているタイトルなどなどのダサさ。ライトノベルアンドアニメッションの主要ファンが最も傷つかず甘く消費できるラインとしてこの「ほどほどにダサい」モードもまた、主用のひとつです。まだ僕にはこのモードについては適切な名称は思いついてません。
ズヴィズダーが2014年冬季のモードではもっともこのアニメラノベちょいダサモードの帝王でした。春でのノイタミナの龍ヶ嬢七々々の埋蔵金が良く出来たちょいダサモードなのだと感じます。って、双方A-1ピクチャーズ作品ですね。
製作のA-1ピクチャーズはまさに現行のちょいダサモードをいかに洗練させるかにすべてをかけている製作会社といえます。決して古すぎてはいけない(古びれば「悪魔のリドル」とか「フラグがどうのこうの糞」になる)。決してオシャレ過ぎてはいけない(湯浅中村アヴァンギャルドから、シャフトのカット毎のデザインなどのように)。決して新海誠や京アニのように映像の快感のウェイトをシフトしてはならない。ありがちな画面に見えて、背景を想像するに苦心しているでしょう。
問題はアニメラノベちょいダサモードは思ってるよりかはデザインのセンスや画面作りの単純さなども凄い気にしてると思うんですが、これが直観的に高い評価に結び付きにくいんだろうなということです。でもまあアニメラノベファンが安心して食べられる範囲という飛んでもねえ客に合わせるわけだから、高い評価軸に絡んではいかないものといえるか…いや、龍ヶ嬢七々々の埋蔵金はつまんないですが。
商業アニメーションのダイレクトラインが14-21歳のガキのモードというただでさえ超狭い範囲の中で、その中でもっと狭い程よくダサいアニメ文法しか受け付けないような層がある。そのダサい範囲の中で最大限に何をやるのか?進歩させるか?そういうラインもあるという気がします。でもみんな、評価なかなかしないしレスポンスも返り辛いラインでもありますね…観たアニメは忘れましょう。そしてしまむらで身体を包み込み、ちょいダサで会いましょう。
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