17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード

葛西祝によるアニメーションについてのテキスト

アニメに疲れたアニメファンの三途の川のアニメ「ご注文はうさぎですか?」

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ソウルイーターノット! 第1話「死武専、入学!」 視聴時間 あれくらい

 

 

 ソウルイーターはオタク発ヤンキーなデザインセンスが特徴だったのに対してなぜこんなボケーとした日常京都アニメッション路線に?スピンオフなのでしょうか。うえーっとこれで今のトレンドランクは日常(新海京アニ系)⇒アイドルネタ⇒デザイン逃げ(シャフト)⇒オタク発ヤンキーデザ(カゲプロ、FFの野村哲也みたいなやつ、黒い服しか家にないオタクがおしゃれを目指した際に最初にモデルにするやつ)≒MMO経由ファンタジー⇒ロボットネタの順番です。ランク後ろのものほどジャンルのパワーは低いです。

 

 

 

 

 

ご注文はうさぎですか? 第1羽 視聴時間 腹筋しながらちょっと

 

 絵が丸くファンタジック。おしゃれな雰囲気ながらキャラは各キャラ原色分けギリギリの安心して食えるようなちょっとしたダサいライン。その緩やかな日常。僕は「新海誠か近年の京アニの作り上げた日常のモードが今のアニメで最も強い」と手法や描写、作品リアリティの基礎水準の意味でアニメの日常を評価していますが、こういうジャンルとしての日常ネタという意味では実にどうでもいいです。

 

「今の先鋭化した京アニにはついていけなくなった」とか「シャフトの気取りには耐えられなくなった」「もう新しい世界観を覚えるのについていけない」とかいう惨敗者が最後に行き着く彼岸、それが「のんのんびより」とか今作のような気がします。三途の川の日常アニメ。にゃんぱす言うたびに終わりの時が近づく。

 

 その光景はセンスやモードの前線を追いかけることや変化といったものから解き放たれた彼岸の光景、そう思うととても苦みがあってよいです。このアニメの華やかなカフェ店内にはカメラに映らないところでたとえばこんな記事を書いていたような方たちで充満しており、かわいらしいキャラがわちゃわちゃしてる一方で渋い顔で珈琲と煙草を嗜んでいる哀しい光景を想像させます。行ったことはありませんがメイド喫茶の店内のムードや店員と客層の関係というのも戯画化したらきっとこのアニメとダイレクトな視聴者の関係なのでしょう。

 

 日本アニメファンもまた、年齢を重ねるにつれ不可避となる人生の哀愁や悲哀を纏うことになりますが、当り前に14-21歳のガキのモードである日本アニメは当然狭いクリエイティビティしかありません。年齢に合わせた悲哀や哀愁をフォローする表現などなく、普通に底は見えてます。にもかかわらずアニメを見続ける高齢ファンの悲哀の行きつく先は?それが「うさぎですか?」。高齢アニメファンの老人ホームが未来に現れるときの基本デザイン、それはきっとこのアニメのような形でしょう。*1

 

 観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。

 

 

ご注文はうさぎですか? (1) (まんがタイムKRコミックス)

ご注文はうさぎですか? (1) (まんがタイムKRコミックス)

 

 

 

ご注文はうさぎですか? タペストリー 4

ご注文はうさぎですか? タペストリー 4

 

 

*1:考えてみればあらゆるポップのジャンルにとって年齢を重ねていくにつれての感情の変化の問題はついて回るものですが、他ジャンルにとってこの問題はどうなのでしょうか?ここでは永遠の14-21歳の世界ってことでアニメですが、ポップはどこも永遠の20代です。70過ぎても6070年代の20代を続ける内田裕也を皆ネタで笑っているところありますが、齢を食うにつれて誰もが内田裕也を笑えなくなるという日が近づいている気がします