ブレイドアンドソウル 視聴12分
韓国のキム・ヒョンテによるキャラデザインによるMMORPGを原作として、日本人がそれをアニメにするという構図は個人的にはとても心躍ります。現在のアジア周辺のアニメ・ゲーム界隈の基本クリエイティビティのラインは中国からインドネシアに至るまで実のところ日本の感覚とは大きな差はありません。(歴史的経緯はわかってないのですが)日本のラノベアニメゲームのモードはどうあれアジア周辺でも浸透し、作り手サイドもそこまで違和感なく取り入れていると思います。
だがしかし、そうした見慣れたものにも拘らず見たことのないなにか、を起こすのもそうしたアジア周辺経由のものの特徴のような気がします。ブレイドアンドソウルは意外に最近では見ないキャラデザインの、あのエロの配分の過剰さと強さのバランスはちょっと前の「バスタード」の萩原一至やら「天上天下」の大暮維人を思い出します。
日本サイド(って本作も日本GONZO製作ですが)ではどんどん女の子のデザインは頭身が5頭身とかそこらになっていってどんどん子供体系化が基本になっていってる中、かつては8頭身あって巨乳、そして強い女戦士や格闘家みたいなのがもう少しあった気がします。過剰でハイスパートなエロチシズムは、いまや韓国の方がトレンドなのでしょうか。
韓国人漫画家などはBouichiや梁慶一などが日本の漫画雑誌に連載しているのをみても、日本の漫画を学んだうえでどこか過剰な何かがあります。韓国は過剰に、日本は日常に…雑な区切りですね。
それでも世界は美しい 第1話「晴れの大国」 視聴5分
少女漫画原作のアニメ化、それがこうまでどこか古く映るモードに見えてしまうのは考えてみれば色々不思議なもんがあります。80年代から90年代ごろより別に女の子が少女漫画だけ読んで男の子が少年漫画だけ読んで、みたいなことはなくなり、作家の側も両者に寄り添うような画風に転換していったように思えますが、その奥にはアニメ化を代表とするメディアミックスうんぬんの流れによって、今や少年向け少女向けのならではの特別な画風というのも大きな差はなくなりました。
それからさらに時は立ち現在、少年漫画・少女漫画・18禁ゲーム・萌えアニメなどなどの周囲をぐるぐると回りながら、そしてアナログからデジタル製作への移行を経てキャラデザインのトレンドというのは変貌していきました。
少女漫画画風、少年漫画画風というのはいまのアニメ全体のモードとしては面白いもんで少しトレンドからはみ出る感じがあります。今ラブライブが2010年の初披露から現在まで非常に絵柄が変貌していっているのが見られますが、その変貌のなかに先述の少年ラインから少女ライン、18禁ゲームラインから女の子供向けアニメラインまでのディヴィジョンを行き来した過程が垣間見えるかのようです。観たアニメは忘れましょう。でも培った技術とモードはそのままに、次回にお会いしましょう。