17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード

葛西祝によるアニメーションについてのテキスト

桜Trickそにアニニセコイwake up,Garls!などの絡みの無いAV・2014年冬・ガキの日常のセックスのモードレビュー 

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さて本編一発目です。今季のアニメを1話だけ見てモードの強弱だけを観る最悪の記事です。よろしく。最悪らしく時間ないので6分とか8分とか見ただけで語っているもの多々です。なにふざけるな?ガキのセックスのモードなんでそれだけ観りゃ十分だろが!

まずは今季中の日常系・アイドル系という遠隔的な形でセックスを知った子供たちを描いたモードを観ていくターンになっております。

 

 

「うーさーのその日暮らし 覚醒編 第03話」視聴フル

製作:ライデンフィルム

ニコニコ動画アニメ欄の頭から観るため一発目はこれです。

一見、ブルーナからパワーパフガールズみたいなものすごくきちんとしたアート・デザインを学んだところが作るようなアニメのように見えますが、手法は完全に日本アニメの方法に沿っているため形だけ借りてるだけです。女の子の神のハイライトの描写ぶりからエンディングのEDMでのダンスなどこんなところにまで今のモードが染みついています。

それにしてもガチガチの高いアカデミックなバックグラウンドのある手法や形式だったものを日本アニメ手法とかヴィレッジバンガードのDVD置き場の常連・鷹の爪とかが半ばパロディのようにしているのはまるでオタク界隈サブカル界隈のモードが堅牢なコンセプトを食い荒らすかのようにみえますね。それでこそ日本のアニメだよ!「パンティー&ストッキング」とかもな!なんならディズニーまで茶化しにいけ!そして事件を起こせ!

 

Trick Trick1-A:「桜色のはじまり」/ Trick1 視聴8分

製作:スタジオディーン

日常とは何でしょうか。いやそれはどうでもいいとして今のアニメのセックスのモードでいっちばん使われる題材、日常。もはやいしいひさいち吉田戦車大橋ツヨシのブレイクスルーもなくなった4コマ漫画誌の一部はなんと萌えに転換。気が付いたらラノベに次ぐくらい原作アニメのサイクルに組み込まれたおっかないことになっていて、京都アニメーションけいおん」のヤバいくらいのヒット以降、日常で女の子を描くは現行のモードになっているようです。

 アニメを追っている皆さんにとって京都アニメーションの位置はどのへんなんでしょうか?なんだかんだで「けいおん」はすごい技術で作ってあって、14歳から21歳の狭い範囲しかないモードのジャンルでその技術に伴うかなりの間合いとデザインやってた、と劇場版だけ観てで判断しているんですが、それと比べると全体のパステル調の色のまとめやキャラクターのデザインはともかく、や背景との取り合わせによる画面作りやカットのデザイン表現をまとめてますが甘さのうえ、セックス面を露骨にしているのでうわ古くせえというモードに見えます。

 

 面白いもんで日常ものでそのまま何もなくても持たせられるにはかなりのトータルのデザインと間合いの技術がいるだろうと思われ、そこんところは背景とキャラの一致の薄さやカット多用でモブは省略、キャラと世界が同時に生きているクオリティまでもっていかせずエロを差し挟んで持たせてる時点で賞味期限短い(放送終了後にすぐパッと忘れる)と感じさせました。日常は静かな戦場のようです。

 

 

 

 

のうりん 第2限「キング・オブ・ファーマーズ」視聴6分

 さっきのでさえエロが引っかかるせいで瞬間最大風速あっても飽きられるの早いと思いましたが、こっちの日常はワンクール終わるまで賞味期限が持たないでしょう。

 キャラデザインの12年前くらいの感じを指摘するまでもなく、農業高校の日常を淡々と描く実力もなく、農業をいちいち絵解きで解説というひどさもまたすごい。そういうのは教科書がやることでアニメなら淡々とした作業のそれを美しく見せてナンボだろ!こんな実力ゆえに間が持たないからエロ頼り。「日常ものは何もない」とか指摘されるけど淡々とした淡々とした動きや日々で持たせるのって相当なことで技術がいることを感じさせます。日常は静かな煉獄なのです。

そにアニ -SUPER SONICO THE ANIMATION-

session3「そに子、沖縄に行く」 視聴5分

 

 セクシャル絡みは最も客を引っ張る一方びっくりするくらいに移り変わりとモード変化が激しいです。5年から7年前のAVとか見たらもう何とも言えない古さキツさを感じさせるし、10年20年前のなんてもうヘアスタイルから化粧の方法まで何もかも古くなっているために百年以上前のようにすら見えていきます。

 

 それと関係あるのかわかりませんが、最近衰退激しいエロゲー界隈をちらっと見るとまず現代の日常系がやってるファッションからキャラデザイン、画面作りのモードに慣れてるとびっくりするくらい絵柄からデザインまでなにまで古臭いムードに満ちてるものが少なくないです。ラノベやアニメに負けた、という話も聞きますが、以上の作品を観ただけでもそれは説得力のある話です。(アニメの18禁も衰退してるんでしょうか?)

 その界隈だったニトロプラスはいろんな意味で衰退ジャンルから今の流れにシフトしていき、アニメの今作観てると気が付いたら日常とかいいながら中身ソフトエロになってる流れにソフトランディングしつつあるかのようです。

最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。 第2話「嵐の中で輝いて」視聴5分

 そしてこれなんか観ると確実にほんまもんの18禁の場を奪いまくっている説をやっぱり信じそうになります。絵柄のトレンドやキャラクターデザインなど今のものを取っていてこれ。実際の18禁界隈ってのどうなっているのかはわからないですが、エロではより瞬発的にキャラクターデザインから画面作りの今一番流行ってる形というのがダイレクトに関わるものってことならなんと一般(でいいの?)アニメがやってしまっているかのようでヤバいです。一般の方が質もデザインも新しくて18禁が質も低くデザインも一歩古いなんてことは起きているのでしょうか。

ゴールデンタイム 第14話「レイディズトーク」 視聴5分

製作:J.C.STAFF

 ライトノベルからのアニメ化サイクルの作品のようですが、面白いもんでラブコメディやるとこんなにも画面作りからデザインまで15年前くらいになるんだろうなんて思いました。これ大学生が主人公なんだ・・・中学から高校までを舞台にするならいろいろ発展させられるんだけど、ちょっと年齢層の高い場になるとみるみるうちにクリエイティビティが劣化するなんてことがもしかしてあるんでしょうか?

 本ブログは14-21歳までが作っているクリエイターのクリエイティビティから実際のアニメの登場人物たちの年齢に至るまでの範囲にしてますが、場合によってはもっと狭く見た方がいいんでしょうか?14歳から17歳のセックス・戦争・冒険を知った子供としたほうがいいんでしょうか?単にJCSTAFFの能力不足ということでいいんでしょうか?

 

ニセコイ 第2話「ソウグウ」 視聴フル

製作:シャフト

 日本のアニメのクリエイティビティの範囲のほとんどは、この二つの言葉は使わないように心掛けてますがオタクとサブカル程度です。東京の街で例えれば秋葉原か中野しかない東京。町の本屋ならアニメイトヴィレッジバンガードしかない町、雑誌はアニメージュクイックジャパンしかない本屋や床屋。中間はほぼありません。サブカルはオタクを見下しててオタクはサブカルのスノッブをクソだと思ってる。という二択でおおよそ成立していて、そういや宮崎駿押井守って切り分け自体もそんな感じですね。

 エヴァなど通常のアニメ業界だけでなく初期のクイックジャパンが総特集を組んだ歴史など振り返るに秋葉原と中野を制した奴がジャンルの天下統一を果たすみたいな感じで「まどかマギカ」で双方を制したのちにいくつかの芸能人が感想ラジオで言うくらいまで波及させたシャフトの新房監督は秋葉原と中野を制してる感じが強いです。

 

 さて今作、ジャンプの原作はコンビニの雑誌棚くらいのクリエイティビティなのですが、それに対して例に寄って市川昆のアヴァンギャルドに影響を受けたあまりキャラを動かさずワンカットでバラバラに変わる演出でローコスト(おそらくそれが重要)で印象付けるのはまるでコンビニ棚にクイックジャパンを置いていく、漫画アックスを置いていくという大人気なさで、やっぱりサブカルはクソ、というのを少なくない人が抱くことでしょう。天下統一を常時成し遂げるのも難しい。

 

凪のあすから 第15話『笑顔の守り人』視聴15分

 日常とはまた違うのかもしれませんが、ともかく「社会は見せない」「ほぼ男性は出さない、女の子だけ」とか「親は見せない」という人物配置にすることで、極端には世界には主人公たちしかいない。その外の広がりはない。それくらいわざと狭い世界観にしていくことでモードの強さを発揮することが多い中、半ば日常の物語で主人公に男女平等の人物配置をやるだけでも世界観の責任感が尋常でなく変わります。そのかわりモードの強さがいささか弱まる印象があります。

 ただ本作が根本的なとこで賞味期限落とすだろうなと見えるのは海が重要な舞台でありながら波や水の描写がまるで美しくもないところです。水の描写問題に関してはこんなエントリもありましたがここんところを解決することでかなり変わっていくだろうと想像します。コスト的に実り無いことこの上なしでしょうか?難題が多いせいでいい作品といったムードはあるがモード最前線まで行けない印象です。日常は男女平等が難しい場なのです。

 

Wake Up, Girls! 第2話「ステージを踏む少女たち」視聴14分

 放映前より監督が注目されていることで有名な本作ですが、正直セックスのモードとしてはもっとも寒気を覚える類でした。どこかで「リアルなアイドルとして描く」という意気込みだったかを見ましたが、主人公たちに立ちはだかる現実の汚さの象徴がリアルに描かれたオッサン(はじめモブ)という明暗の絵図、それはただの絡みのない15年前くらいの18禁アニメです。これが監督が今のアニメ界を憎み、新たな価値に向かった結果だとしたら皮肉すぎます。エロゲーは衰退している一方ラノベとアニメがどんどんソフトエロに振り切っていっているとかさっき思いましたが、作家性を発揮しようとした結果が過去のアニメゲームのエロを召喚しているかのようです。

 

 日常のセックスを知った子供たちのモードが大半なため、作家性の高いクリエイターはほぼ反発した方向へ向かおうとするのですが、場合大体サブカルのガジェットか実写映画や演劇など他ジャンルに向かうかしていくのですが、これは悲劇でしょう。本作と監督をネタに「今のアニメに反発する作家」ということでまたあとで別個に記事にします。日常はTwitterに時間を使いすぎるものではないのです。


 第一弾ながらびっくりするくらいみんな絡みの無い(前戯まで来てる)AVをみているかのようだったため、むしろエロ中心とさえいえモードって意味では新鮮さと古臭さが明確でした。初めてやる「今期のアニメをざっと見る」試みのまずニコニコ動画で見れる分の半分ほどを試してみましたが、もうその時点でうわあこんなことになってたんだ・・・と感じさせました。

 

 観たアニメはすぐに忘れましょう。自分もここまでブログを書き終わった瞬間に観た大半のアニメを忘れ去っています。でも培った技術とわずかな進歩のモードはそのままに、来季にお会いしましょう。次回はもう半分「ガキの似非の戦争のモードレビュー」です。