17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード

葛西祝によるアニメーションについてのテキスト

ポスト・スタジオジブリと評されるアイルランドの傑作『ソング・オブ・ザ・シー』感想

ソング・オブ・ザ・シー 海のうた 制作:カートゥーンサルーン

 

 かつての長編アニメーションが原作に選ぶのは普遍的な神話やおとぎ話であることは少なくはありません。ディズニーはアンデルセンとグリム兄弟の童話を元に数多くのクラシックとなる長編を作り上げましたし、日本のアニメーションでも初期の東映動画は日本神話や中国の民話を元にした長編を作りだしていました。

 

 『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』はそんなクラシックなアニメーションの体験をいまあらためて見せてくれる長編アニメーションです。いまクラシックをあえてやるのはオーソドックス過ぎてしまうとか、堅実だけど古臭くなってしまいがちなのですが(日本アニメーション40周年記念の『シンドバット』みたいに)、本作にそれはありません。伝統的な技術と、現在の技術が上手く手を結んでいます。

 

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