17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード

葛西祝によるアニメーションについてのテキスト

タイトル個別レビュー

観ると気が遠くなるアニメ『天空侵犯』 。『MUSASHI -GUN道-』に近いNetflixオリジナルとはなんなのか……

『天空侵犯』 「NetflixオリジナルアニメとしてTwitterでプロモ広告を打つくらいだから、それなりに自信がある作品なのかな」そう思って観たものは虚無でした。 そこにあったのは絵の綺麗な『MUSASHI -GUN道-』でした。手描きと3Dが混ざることで奇妙な味わい…

原恵一が萌えアニメの恐るべき才能を見せる『バースデー・ワンダーランド』

作家の失敗作を見る豊穣さ 『バースデー・ワンダーランド』はNetflixに来たのではじめて見たのですが、「原恵一であまり評されていない才能が炸裂している作品だ」とはっきり感じました。 すでに失敗作であることをわかったうえで観ることで、その才能が見や…

『あしたのジョー2』その後……

あしたのジョー2 全話フル エロネタのあとにこれはないだろうという文です

アメリカ劇場版3dCGアニメで「まずやらない」ことだけでできた『スパイダーマン:スパイダーバース』【有料】

www.youtube.com 『スパイダーマン:スパイダーバース』があんまりにも凄かったので、そのレビューをかきましたよ。あれってアメリカの3DCGアニメで、ほぼやらないことだけで成立させたアニメだと思います。もっとすごいのは、それで王道物語が出来たという…

追悼 高畑勲

Netflix時代にあらためて意味を持つ「オリジナルビデオアニメ(OVA)80's テープがヘッドに絡む前に」書評

80年代再評価って2000年代に入ってから各所で行われ続け、現在に至るも続いています。そのなかでもOVAがあれだけ一時代を築いていながらも、なかなか体系的にまとめられたものを読む機会は少なかったりします。 「オリジナルビデオアニメ(OVA)80's テープ…

「京アニ製作のワン・ビン監督(中国の暗黒の現実を撮る映画監督)」の緊張感を持つ作家、リュウ・ジアン

今月から渋谷のシアター・フォーラムで始まっている「長編アニメーションの新しい景色」でいくつか見てきました。世界各国のアニメーションが揃う中、欧米のセレクトがもちろんなんですがぼくはアジア各国の作家が気になってます。昨年「新感染 ファイナル・…

いま「ゲド戦記」を見るということ

金曜ロードショーで久しぶりに「ゲド戦記」をみました。多分10何年ぶりくらいに再見するんですが、いま見ると逆に目を離せない緊張感があることに驚きました。 もちろん、公開当時から言われた微妙さに対する皮肉ではないですよ。ひとえに「他人から依頼され…

ディズニー、欧米から離れた舞台だと弱体化する説『モアナと伝説の海』レビュー

『モアナと伝説の海』は2010年の『塔の上のラプンツェル』から続く、3Dアニメーションルネサンスを迎えていると言っていいディズニーの中では、脚本の質が低いのが気にかかります。それはキャラクターの造形やコンセプトといったレベルまで含めた意味の脚本…

劇場版でもアートでもなく、深夜アニメでしかできないデザインは何か?を実現したアニメベスト5

ここの書き散らしもなんと3年になりますとのメールがはてなより届きました。第一回は正直ほんと偏見だけのひどいもんだったんですけども、まあちゃんと(10分以内だけで評価するくそ仕様はかわってないですけど)各シーズンを見ていきますと気づきは多かった…

『6HP』 村上隆が炎上するのは、逆説的だがアニメを愛しているから

6HP 視聴フル(本編&ドキュメンタリ込み) またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。この作品で2016年を終えるのはきりがいい気がしていますよ。 村上隆監督作品であり、一から自前のスタジオを立ち上げ…

『この世界の片隅に』感想 映画館の中で観なくては成立しない作品

『この世界の片隅に』は正直言うとネットの動画で見た予告編の段階では、今年観たどの劇場版長編よりも見劣りがしたんです。しかし映画館の白いスクリーンに映された瞬間にまったく評価が変わりました。極めて注意して作られた静かな作品です。むしろそうし…

これは聴覚障がい者やいじめや恋愛の映画ではないよ。答えは水の中『聲の形』感想

聲の形 監督 山田尚子 知っての通り、10代そこそこの青春がなんの屈折もなく上手くいくことなんて希少ですよ。上手くいった青春ばかりがシネコンでは毎年映画にされるわけなんですけど、大多数の人にとってはそんなのありえないわけですからね。とりわけアニ…

女優・杏を美しく映しているアニメーション『百日紅』

百日紅 監督・原恵一 ちょっと遅れていまごろ『百日紅』の書き散らしです。WOWOWで放映されていたものを観ました。 正直なところ、アニメートやデザインは『カラフル』のような緊張感に欠けているし、冒頭近くの唐突なロック系のBGMなどはチョイスがめちゃく…

これまでの作品と完全に逆転してるじゃねえか!『君の名は。』感想 

興行収入がすごいことになっていますね。シンゴジラと並べて語る向きも多いですが、ぼくは「メジャーな規模で公開するが、監督作品をみてきたオタクからすると大規模でえらいことになると不安になる」という意味で2作を見てました。そして実際に観て不安を抱…

ポスト・スタジオジブリと評されるアイルランドの傑作『ソング・オブ・ザ・シー』感想

ソング・オブ・ザ・シー 海のうた 制作:カートゥーン・サルーン かつての長編アニメーションが原作に選ぶのは普遍的な神話やおとぎ話であることは少なくはありません。ディズニーはアンデルセンとグリム兄弟の童話を元に数多くのクラシックとなる長編を作り…

劇場版ガールズ&パンツァーと日本におけるエクスプロイテーション映画

またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。 4DXの評判が異常に良いと言う評判が去年の公開時から流れており、いまさら超話題作に乗ってみたというボンクラなんですが、意外にもエクスプロイテーション映画…

実はディズニーのハードボイルド「ズートピア」感想

ディズニーが長い暗黒期を経て、1989年の「リトル・マーメイド」の成功から立て続けに「美女と野獣」「アラジン」などなどのクラシックをほぼ毎年のように生み出していた時代を「ディズニーのルネッサンス期だ」というそうです。 ところがその後のディズ…

「父を探して」レビュー 無垢な時はいずれ無くなり、それから思い出す

またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎…といいたいとこですが、あまりにも根源的なところにアプローチしており、しばし忘れられない作品になりそうです。 というわけで「父を探して」観てきました。東京アニ…

「美少女&メカ」の不作時代に咲く花 ガールズ&パンツァー感想

ガールズ&パンツァー TOKYOMX特番 視聴35分くらい ヒット作ガールズ&パンツァーをちらっと見てみました。逆に今、ヒット作と呼ばれるもので「美少女&メカ」という客層にヒットする題材を扱ったものは意外にないのではとか思いましたよ。

日本最低のブログが選ぶ2015年アニメーションベスト10

セックスか戦争を知ったガキのモード2015年ベスト あけましておめでとうございます。基本1話5分くらいしか見ない最低の書き散らしによる2015年のアニメーションベストです。

紅白にまで出場するμ’sの現実とシンクロさせた映画「ラブライブ!」レビュー

劇場版ラブライブ! 視聴フル また一つ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。これを2015年締めくくり書き散らしにしておきます。 今更ながら劇場版ラブライブ!書き散らしです。PS4ストアに配信されたのでち…

90年代からの作画アニメの価値は…「旅のロボから」

日本アニメ(ーター)見本市 旅のロボから 視聴とびとび 日本アニメ(ーター)見本市はざっと眺めると日本商業アニメ技術の最先端と旧型が混在していて、これから来るであろう作品と、もはやダメになってしまったのではないかと思われる作品が混ざり合ってい…

小説家は時にアニメを殺すか?舞城王太郎監督のアニメの怪異

日本アニメ(ーター)見本市 ハンマーヘッド 視聴フル 監督・舞城王太郎 舞城王太郎が関わったアニメーションや特撮を観ると、ある思いに駆られます。それは小説とアニメーションという表現の差についてです。

エヴァが京アニを踏み潰す「新世紀いんぱくつ」

日本アニメ(-ター)見本市32話 新世紀いんぱくつ 視聴フル 歴史は繰り返すともいいますか、いよいよセルルック3Dアニメートが極まることの凄みと哀しみの混ざり合うえげつなさを感じ入ります。京アニがここ10年内に極めた2D手描きでのコンテンポラリ…

今ごろ日本アニメ(-ター)見本市2015上半期 ふらっと見たら立て続けにワースト作品が…

三本の証言者 監督 うつのみや理 1秒たりとも観るべきところが無い。この時代に置いてアニメート、レイアウト、デザイン、コンセプト、その全てに何一つとして意味が無い。今年観たすべてのアニメの中でワースト。今年は多分これより下は無い。これが日本の…

ピクサーの実話がけっこう混じってるだろう「インサイドヘッド」

インサイドヘッド 視聴フル 監督・ピート・ドクター 確かにほうほうで言われているような冒頭のなぞの監督あいさつ・そしてドリカムの歌に合わせて知らん家族のしらん子供たちの写真がでてくるという映像は「オレほんとうに映画館にいるのかな」と思いました…

現実が全て死滅する「コングレス未来学会議」レビュー

コングレス未来学会議 監督・アリ・フォアマン 視聴フル 日本の商業アニメ監督が作家性を発揮すると共通しがちなテーマに現実と虚構がある。主に押井守、庵野秀明らをはじめ今敏、山本寛などがそうだ。それはテキストからアニメートにまで反映している。実写…

スタジオジブリの正しい後継者と言えるアニメート、だが…「台風のノルダ」&「陽なたのアオシグレ」

また一つ現れました。すぐさまに熱し忘れられ次の瞬間に繋げるための礎です。 宮崎駿引退によりいよいよ制作部門の活動を休止したジブリ。その後継者に関してやれ細田守だ、いや新海誠がいいんじゃないかとか、いやいや片淵須直が真にそのラインだとか、やは…

ヱヴァがずっと終わらないことを皮肉ってるアニメ「Kanón」

日本アニメ(ーター)見本市第13話 Kanón 監督:前田真宏 また一つ現れました。瞬間的に熱し忘れ去られるために生まれ、次の瞬間に繋げるための礎です!…とはエヴァンゲリオンをなりませんでした。あそこまで監督本人のパーソナルにも注目が集まったにも関わ…