17.5歳のセックスか戦争を知ったガキのモード

葛西祝によるアニメーションについてのテキスト

作画だけで全てを伝える理想「リトルウィッチアカデミア」

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リトルウィッチアカデミア 視聴フル

 

 またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。

 

 トリガーがコンスタントに質の高い作品を提供できているベースには、やっぱりTVで放映する商業アニメーションの手法を、日米の方法をともに熟知し、意図して使っているゆえだと思ってます。まあウェルメイドなライトノベルのアニメ化も差しはさみつつも、ここ数年間で放映された作品で『キルラキル』『ニンジャスレイヤー』『ルル子』とどれも素晴らしいんですよ。

 

 でも上に挙げた作品はどちらかというとアメリカのリミテッドアニメ―ション的であり、日本の商業アニメならではの省力ゆえの技法*1を再解釈している傾向が強かったため、ルル子は一目では評価に難しい短編アニメですし、ニンジャスレイヤーは最初けっこうな反発を招いてました。

 

 そこでトリガーの若手育成プロジェクトとしてスタートした「リトルウィッチアカデミア」は、そんなリミテッドアニメならではの手法を再解釈するようなデザインを取っておらず、ほんと単純にキャラクターのしぐさやアクション、エフェクトの鮮やかさといった、いわゆる作画アニメといわれる面白さを追求した出来になっています。

 

*1:なんで日本の商業アニメの手法をここではリミテッドアニメと評さないかは、過去の記事のこちらを参照ください。

 

teenssexandwarmode.hatenablog.com

 

 

teenssexandwarmode.hatenablog.com

 

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このオリジナリティのなさは、逆にアイドルアニメ市場の成熟を示すのかも『BanG Dream!(バンドリ)』

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 またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。今回先に書いとくと、“女の子数人のグループがメインである・実際の声優がアニメの楽曲をライブで演じる・多数のメディアミックスを行う”あたりを総称して、アイドルアニメとくくっております。本作の内容はバンドですけど。

 

 露骨なくらい「けいおん」と「ラブライブ」と過去の成功例をミックスした類書。この確信犯での類書っぷりを誰が企画したのかというとブシロードというのはなんだか腑に落ちるというか…絶対これある一定の数字が見込めるところからスタートしてます。ラブライブとかアイマスみたいな声優ライブまで含めたアイドルアニメ系のメディアミックスの市場規模から、類書を作ったとしてどれくらいの利益があらかじめ見込めるかってところから逆算して企画されている感じがアニメのデザイン、楽曲に満ちています。しかしバンドリ!って4文字の略称とか、どんだけ置きにいってるんだよ!

 

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『幼女戦記』の女の子の可愛くないデザインの意図

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 またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。

 

 商業アニメの華はメカもしくはミリタリー&美少女なんですが、ここんところはミリタリー面で露骨な作品はそんな目立っていない印象はあります。「ガルパン」なんかも表向きの企画は女の子&趣味ネタ。でもそこから突き進んで、映像はハードコアな戦車描写をやるみたいにシフトしてましたし。基本、女の子はかわいく描いたりしてますよね。しかしそんな状況の逆ギレのように、なにかハードコアなデザインの作品が出てきました。

 

 『終末のイゼッタ』など、基本的な世界観には第二次大戦時のタイトなミリタリー描写の中に主役級の女の子がさっそうと現れるというデザインの作品が去年は現れましたが、今回の『幼女戦記』はどうも気配がちがいます。こんなタイトルでありながら、女の子が全くかわいくデザインされていないのです。この理由には、架空の世界の軍隊といえどもやっぱりドイツ軍をモチーフにしてることが多分に影響していると思います。

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3DCG原作のアニメ化は表情硬くなるのはなぜ?『スクールガールストライカーズ』

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スクールガールストライカーズ 視聴10分

 またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。

 

 ニコニコで見てたんですが「PSO2か?」てコメントが流れてきて、言いえて妙ですねと思ったんです。というのも、スクストもPSO2もアニメっぽいビジュアルベースの3DCGのキャラクターメインのゲームなのに、アニメ化されたとたん妙に原作ゲームにあった生き生きとした感じやギラついた感じが薄れてるように感じることです。なんでだろうな…と考えるに、それは登場人物の表情のアニメートのせいではないかなと。

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『けいおん』『日常』はこのクオリティでもおかしくなかった『小林さんちのメイドラゴン』

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小林さんちのメイドラゴン 視聴10分

 

 またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。

 ここ数年を振り返っても京都アニメーションが『聲の形』『ユーフォニアム』『ファントムワールド』とどんだけの全力投球してたかを考えると、ほんのすこし凪の時期に置いているということかもしれません。前回取り上げた『南鎌倉高校女子自転車部』が企画に対して異常なくらいの全力投球をしているのと比較すると、ほどほどの原作をほどほどの技術でアニメ化してる本作は、まさに凪を感じさせます。萌えやゆるい日常のアニメ化というなら、『けいおん』はこのクオリティでも十分成立してたわけですよ。

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アニメで最も難しいと言われる自転車を描くためか、今期随一のクオリティを発揮 『南鎌倉高校女子自転車部』

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南鎌倉高校女子自転車部 視聴19分

 

またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。なんでしょうか?今季ではかなりクオリティを何でここに発揮しているんでしょうか?その理由を考えるに、そもそもの「自転車」というモチーフがアニメにとっては大きいからかもしれません。

 

企画的には『ばくおん』とか女の子と趣味ネタ。一見してそこそこだけ興味をもてる内容なんだと思うんですが、そのデザインは相当にタイト。やけに綿密な背景美術、手前から奥移動で使用されるCG背景の自然な使い方によって自転車が疾走するアニメートを徹底しているのです。

 

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おっさんと女性作家が高校生の性欲を描く差 『クズの本懐』&『セイレン』

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クズの本懐 視聴15分

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セイレン  視聴15分

 

 またひとつ現れました。瞬間的に熱しすぐさまに忘れ去られ、次なる瞬間に繋げるための礎です。

 

 このブログタイトルがどっかのエロ漫画雑誌だったかの広告にあった「女子校生はセックスを知った子供です」という、狩野英孝がもめてる今まったく笑えないとんでもないコピーからスタートしたことを今回の2本で痛感しましたよ。

 

 この二つに共通しているのは突飛なキャラデザインを取らず、大人しく抑えたデザインを取っています。登場人物も女の子だけしか登場しないいわゆる萌えではなく、ちゃんと男女がおおよそ50:50ぐらいに配置もされている。しかしそれはドラマを見せることを主にしたためではなく、根底にある性欲の飛距離を遠くまで飛ばすために、蛇口をすぼめたものだと言えます。『クズの本懐』はいきなりキスで唾液が糸を引きます。『セイレン』は主人公の座席にヒロインがスカートの中身のほうで座っている姿が描写されます。これらを性欲をばらまくものといわずしてなんでしょうか。

 

 しかし、その性欲のありかたが作者の年齢や立場で完全に分かれています。はっきり言って、原作が女性作家と、おっさんとの差なんですよ。

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